水沢有美＋ぷらイム による演奏映像　　http://youtu.be/SLDws9gl-FE?t=43m36s　43分36秒より

さて、ただ今より上演いたします『アグニの神』　原作、芥川龍之介。テルミンが発表された1920年に執筆、翌1921年に、雑誌「赤い鳥」にて発表されました。芥川龍之介、時に28歳。

それでは、お楽しみください。
 
 

まだ、神と人とが、同じ世界に共に暮らしていた時代の事。それはそれは仲睦まじいオトコ神様とオンナ神様がいらっしゃいました。

ところが、ささいな事から、オンナ神様は天帝の怒りを受け、人間として人の世を生きる定めとなったのでございます。短い人の一生を、何度も何度も繰り返し。

人間として生きている間は、かつて女神であった時の記憶はありません。

ただ人としての一生を終えるその瞬間にだけ、女神としての記憶、愛しいオトコ神様との記憶がよみがえるのです。「愛しい人」と気づいた瞬間に、その命は終わり、言葉を交わす間もなく、また次の命へ。
 
 

	『アグニの神のテーマ（m8）』 詩：大西ようこ 曲：清道洋一   昔昔の　その昔 金のお船に　銀の櫂　 星の海越え　いずこへと 絶望という名の　希望をのせて     波に揺られて　ゆーらゆらと 千年経っても　巡り会う 波に揺られて　ゆーらゆぅらと いつか一つと　約束の     美しい音　星々に　 美しい波　彼方まで 遠く遠くへ　響きゆく     今日は　あなたの夢を見る 明日は　お前の夢を見る     宇宙にお前の夢が満ちた時 この音の波動が満ちた時 宇宙にお前の夢が満ちた時 きっと一つになれるだろう なれるだろう